- 2022/12/24
- 顎関節症
- 顎関節症について 顎の痛みの原因と治療
-
「頚の痛みと頑固な肩こりで困っているのですが」
辛そうな顔つきで訴えるように話すのは、36才の主婦のCさんです。
半年前から心当たりもないのに頚と肩に悩まされているのです。
「針とか、マッサージとかも通ったんですがすぐもどってしまって」
「整形外科なんかでは?」
「ええ、レントゲンも撮ってもらいましたが、特に異常はないといわれて」
「半年くらい前に歯の治療か何かしましたか?」
「いえ、しません。でも顎はご飯を食べるときなんかにガクガク音がしますけど」
「ひょっとしたら顎の関節に問題があるかもしれないね」
「顎の関節ですって」
●
けげんな顔付きのCさんの顎の関節を調べると、案の定狂いがありました。
詳しく聞いてみると、普段からよく頬杖をついて本を読んだりテレビを見たりするとのことでした。
そんな姿勢が知らず知らず、顎関節にプレッシャーをかけて歪みを誘発していたのでしょう。
知られていない顎関節の重要性
顎関節が重要な関節であることはあまり認知されておらず、日常生活を脅かすような身体の不調をきたすことも知られていません。顎関節に異常が起きると、関節周辺の違和感だけでなく頭痛、頚部痛、腰痛、肩の痛みなどを引き起こします。また更には精神的不安定、ふらつき、視力異常、難聴などの思いもよらぬ症状を呈することもあります。
歯科医も注目
顎関節のトラブルが、こうした症状と関連があることを、歯科医やカイロプラクターは前から知っていました。アメリカではケガや交通事故、筋肉のアンバランスなどで起っている顎関節問題の解決を歯科医とカイロプラクターが協力して研究し治療にもあたってきました。日本でも歯科医が「かみ合わせ」の問題から顎関節に注目して、専門の歯科医院も増えました。一部では歯科医とカイロプラクターが協力して顎関節の患者さんの治療にあたっています。
顎は壊れやすい関節
顎の関節は物を食べたり、話しをしたりするときに使う関節ですから、元々構造的にゆるい関節です。顎関節の脱臼が全脱臼の中でも上位を占めるのはその為です。また関節の構造そのものが特殊な形態になっているため、ささいな事で狂いが生じます。顎関節症を引き起こす原因には、次のようなものがあります。
- 頬杖などの不良姿勢
- 顎の打撲、外傷
- あくび
- 筋肉のアンバランス
- 頚椎のサブラクセーション(歪み)
- 虫歯や歯の欠損
- 片寄った噛み方
顎関節症の自己診断
顎関節症はささいなことで始まります。何でもないと思っていたことから多くの問題が引き起こされる可能性があります。前駆症状として次のような気配があるときは、早めにチェックをすることが必要です。
- 口の開け閉めでコクコク音がする。
- 開口時に途中でカクンと大きく動く。
- 食べ物を噛むと痛む。
- ご飯を食べて顎がだるくなる。
- 大きく口を開いて3本の指が縦に入らない。
カイロプラクティックでは
カイロの臨床現場でも、Cさんのような頚や肩の痛みが顎関節にあるケースは珍しくありません。うるうカイロ院は、こういう顎関節の治療ケースを得意としています。それは、顎関節のみにアプローチするのではなく、他の筋肉や関節の問題を含めて総合的に判断して治療しているからです。もちろん歯そのものに顎関節の原因がある場合には、歯科医の協力をあおぐことはいうまでもありません。