


- 2025/07/14
- 日々是好日,食べもの
- お酒との上手な付き合い方 いつまでも健康でお酒を美味しくいただくために
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当院に来院される腰痛や肩こり、背中の痛みを訴える患者さんで、アルコールの飲み過ぎが悪影響を与えている人がいます。
自分自身もついつい飲み過ぎてしまう傾向にありました。
PIVOT公式チャンネルにて、肝臓外科医の尾形 哲先生のお話しはアルコールとの付き合い方を見直す良いきっかけになりました。
自分が引っかかったキーワード
1.ハイボールは糖質ゼロだがハイカロリー
2.休肝日の48時間ルール
3.お酒を毎日飲む人の9割が脂肪肝
4.癌のリスクが高まる飲み方に注意
5.筋トレ後の飲酒は筋合成が3割減
6.アルコールのおつまみ神セブン
7.専門医はウコンを絶対勧めない
8.アルコール依存への対処法
1.ハイボールは糖質ゼロだがハイカロリー
お酒のカロリーの計算方法
砂糖1gは4kcal
脂質1gは9kcal
お酒1gは7.1kcal
200kcal相当量(大きめのおにぎり1個分)のアルコールの量
肝硬変になった人たちの飲酒量と飲酒期間
1日に平均100gを男性は40年、女性は30年飲み続けて肝硬変に至っている。
ちなみに自分がよく飲む赤ワイン2杯250mlで24g
アルコール性肝障害、肝臓が壊れて肝硬変に向かう飲酒量は、男性50g以上、女性40g以上。
男性なら缶ビール500を3本、女性は2本で超える。
・私の一例
ビール350ml 5%×350ml×0.8÷100=14g
ウイスキー50ml 45%×50ml×0.8÷100=18g
赤ワイン125ml 12%×125ml×0.8÷100=12g
合計44g
2.休肝日の48時間ルール
・肝臓は連続攻撃に弱いので、多く飲んだ日の翌日を休肝日にする。
・肝臓は再生能力の高い臓器だが、連続攻撃が続くと、組織が繊維化して肝硬変に移行しやすい。
・48時間で細胞分裂が完了するので、連日飲むよりは翌日休肝した方が肝臓が長持ちする。
・多量飲酒者が1日おきの休肝日を設けるパターンと毎日少量飲むパターンでどちらが良いか?
毎日少量飲むパターンが良い。ただし、アルコール量は1日20g以下にする。
1日20g以下だと非アルコール、ノンアルコールと同等の医学的基準がある。
・ワインが2杯飲めるのはありがたい!
・飲酒量に対する病気のリスク
横軸の20gあたりまでは相対リスク、病気のリスクは上がっていない。
3.お酒を毎日飲む人の9割が脂肪肝
・脂肪肝がベースにある人や肥満の人は、アルコール摂取で脂肪肝になりやすい。
・アルコール自体の薬理作用として肝臓内での脂肪合成を高めてしまう。
・肝臓内で脂肪をエネルギー化することを『ベータ酸化』というが、アルコール摂取でそれをブロックしてしまうので脂肪蓄積となる。
4.癌のリスクが高まる
・顔の赤くなる人が毎日アルコールを摂取すると食道癌になる確率がかなり高い!
アルコール摂取によるアルデヒド(毒性の物質)を酢酸に分解する能力が低い人は、
アルデヒドが咽頭や食道に高濃度で残ってしまうのが原因と言われる。
・特に咽頭や食道へのダメージは就寝前に飲むロックが良くない!
唾液中にアルデヒドが出てくるのが原因のひとつなので、その後に水摂取で希釈が大事。
5.筋トレ後の飲酒は筋合成が3割減
・筋トレをした直後に飲酒をすると、筋合成が3割減少するという論文がある。
大量に飲むのは控えた方が良い。
時間も空けた方が良い。
6.アルコールのおつまみ神セブン
・低糖質、低脂肪、高タンパクでアルコールによるダメージ(3番の脂肪合成や脂肪蓄積)を最小限にする。
7.専門医はウコンを絶対勧めない
・ウコンには胆汁の分泌能力(消化力)を高める効果があるが、鉄分が含まれており肝炎のある人が飲むと悪化する。
・肝炎や脂肪肝のある人はウコンは有害。
・そもそもウコンを飲んで肝臓が良くなるという論文は存在しないし、ウコンを使った製薬も無い。
8.アルコール依存への対処法
・以前の治療は断酒だったが、今は減酒を勧める。
「お酒を飲むな」と指導すると外来に来なくなるらしい。
・お酒を減らせる薬が開発された。肝臓の専門医で保険適用です!
日本肝臓学会のHPで地域の肝臓専門医を検索できる。
・『セリンクロ』を服用すると、お酒の味は変わらないが、酔った時の気持ちよさが発生しないらしい!
アルコールを飲んだ時の気持ち良さは、モルヒネの受容体を刺激して快感が発生するが、
セリンクロはモルヒネの受容体を先回りしてブロックするので、全然気持ち良くならないらしい。
なので、依存症の人たちが、飲み始めると気持ちよくて止まらなくなる衝動が起こりにくくなる。
・その他、ストレスでお酒を飲みたくなる衝動も抑える効果がある。