


- 2025/06/20
- スポーツケア
- スネの痛みで走れない!原因究明と対策します
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鹿児島県下一周駅伝を目指して(20歳 男性 霧島市)
鹿児島県下一周駅伝の出場を目指す社会人一年生の太郎君は、2ヶ月前の長距離練習中にシンスプリントが起こり、痛くて走れなくなった。その後、患部をアイシングしながら体幹トレーニングのみをやり、1ヶ月後に走り始めたら、また直ぐに痛み出してきた。軽いジョグでも痛むのを見兼ねた先輩の紹介で来院されました。
シンスプリントとは
過労性脛部痛症候群(shin splint syndrome)の事を簡単にシンスプリントと呼びますが、脛骨内側の遠位2/3に沿って起こる痛みです。前脛骨筋腱の炎症、脛骨の骨膜炎、脛骨の疲労性骨折、後脛骨筋の炎症などが痛みとなる。多くは扁平足やハイアーチの衝撃吸収力が低下した状態へ更なる運動負荷の繰り返しで発症します。
下腿前面 ネッター解剖学アトラス
きっかけを知ることが回復への近道
3年前の長距離走大会で右足首を捻挫してから、シンスプリントや膝の痛みを繰り返すようになりました。捻挫自体の痛みは大会後2、3週間でまったく無くなったのに何故か他が故障しやすくなりました。捻挫をきっかけにこれまでの走りが出来なくなったという事は、身体に何らかの変化が起こったと考えられます。
身体のアンバランスな動きを戻す
右足首は捻挫による内反したクセを施術しました。
姿勢制御として働く足関節の受容器が正常に作動せず、他の骨格筋も誤作動する。
図で示す左腹筋群の抑制した過緊張は手技で改善しました。
腹筋群の過緊張は走行時に右足をかばう動作で作られ、機能連動性がアンバランスになっていました。
図3 腹斜筋の筋膜ライン アナトミー・トレインより
ジョグからスピードアップ!
足関節の受容器調整、体幹と下肢の機能連動性、横隔膜調整による下肢の循環改善を目的に手技を行いました。
1週目は徐々にジョグで走れるようになり。
2週目は30〜40%のジョグで走っても痛みなし。
3週目は50〜60%のランで90分ほど走れた。
初回治療日から25日経って、順調にレースレベルの50〜60%ランを継続中です。