- 2023/05/10
- スポーツケア
- 【治療例】中学生スプリンター の肉離れを早期回復
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1. 太ももにズキンと痛みが
2. スポーツ障害の原因を見極め
3. 拮抗筋の働きが大切
4. リアクティブ筋
5. 原因筋も故障筋も両方治療
6. 痛みのない原因筋
7. トラブルの起こりにくい身体に
1. 太ももにズキン!と痛みが走った
大会を3週間後に控えて、部活で全力疾走中に左大腿部前面に痛みが走った!
直後から左足に体重をかけられないほどの痛みが出てきた。
監督からは「肉離れだから今大会は無理」と言われたが、母親が少しの期待と今後も見据えてうるうカイロ院へ連れてこられた。
2. スポーツ障害の原因を見極めます
ラグビーなどコンタクトの多い偶発的な「スポーツ外傷」と違って、
必然性の高い「スポーツ障害」はなんらかの因果関係を含んでいます。
つまり、身体のどこかに疲労や機能低下した所が存在する状態で運動した結果です。
S君もこの数日、足腰に張りを感じながら練習をしていました。
3. スムーズな動きは拮抗筋の働きが大切
単純に説明すると、しゃがんだり立ったり膝関節が屈曲伸展するとき、
大腿部(ふともも)で働く筋肉は、前部が大腿四頭筋、後部がハムストリングです。
しゃがむ時は、大腿四頭筋が伸張しながら、ハムストリングは収縮します。
逆に立つ時は、大腿四頭筋が収縮しながら、ハムストリングは伸張します。
このように、関節がスムーズに動くために拮抗する筋肉がバランス良く伸縮しています。
4. 故障のリスク、リアクティブ筋
S君は前面の大腿四頭筋を傷めましたが、後面のハムストリングが疲労のたまった亢進(異常に昂っている)状態でした。
亢進したハムストリングは伸張しにくいために、拮抗する大腿四頭筋が力を発揮できない状態でした。
この様に亢進した筋の影響で筋力を低下させてしまう筋をリアクティブ筋と言います。
リアクティブ筋は頑張りすぎて凝りや痛み、傷めるなど影響を受けやすいのです。
5. 原因筋も故障筋も両方治療します
故障した筋肉の治療は段階があります。
まずは組織の炎症に対して R I C E 処置が有効です。
(Rest)休息
(Icing)アイシング
(Compression)圧迫
(Elevasion)心臓より高く
学校があるので、アイシング後に傷めた繊維をテーピングで歩きやすくした。
クリニックでは炎症や痛みが落ちついたら様子を見ましょうとなりますよね。
デスクワーク など日常生活レベルの人はこれで無難に過ごせる事もありますが、
組織を押さえると痛かったり、
特定の姿勢で負荷をかけると痛かったり、
その筋肉をストレッチすると痛みやつっぱり感が出れば、まだ強い負荷はかけられません。
肉離れは組織が綺麗に自然回復しない場合が多いので、スポーツ選手はここからが大事!
うるうカイロ院は、傷めてごわついた繊維自体(錐内筋、錐外筋、ゴルジ腱)を手技で修復します。
復帰も早まりかなり有効です。
6. 痛みのない原因筋
原因筋は普段の動作では痛みを感じないことが多いので素人には分かりません。
確認方法として、その組織を押さえると硬結と痛みを感じます。
トラブルの元となる原因筋の組織も手技で修復します。
S君の傷めた大腿四頭筋に対する原因筋はハムストリングだけでなく、
内ももの内転筋や外側の中殿筋も影響していました。
7. トラブルの起こりにくい身体にします!
うるうカイロ院は故障筋と原因筋とそのトラブルとなる神経系の働きも修正します。
そもそも原因筋が出来てしまう姿勢制御系の神経トラブルがあります。
人間の姿勢を制御するための入力情報は主に6つあります。
�@視覚系からの情報
�A聴覚系からの情報
�B頭位による情報
�C頸部の回転
�D迷路刺激
�E足関節など固有受容器
S君は頸椎の歪みなど頭の傾きや肩の高さに左右差があって、腕の振りにアンバランスが生じていました。
その為に下半身との機能的な連動性が低下して片寄った原因筋を作ったと思われます。